文化
1910年頃から、ピクトリアリスムに対して、絵画の模倣にすぎないという意識が強まり、ピクトリアリスムを否定して、写真本来の機能に基づきかつ写真にしかできない視線で写真作品は制作されるべきだ、との考えが起こってきた。これが、写真史における「モダニズム」である。
この考えにもとづき、2つのかなり異なる方向が取られることとなった。1つは、絵画的表現から独立した、よりストレートな作品を、技巧をあまり用いずに制作する方向(ストレートフォトグラフィ)であり、もう1つは、写真独自の技巧をむしろ積極的に(極端に)用いて、前衛的な作品を制作する方向で、いずれの方向も、写真にしかできない表現をめざしたものである。前者は、アメリカにおいて顕著であり、特に、スティーグリッツの周辺やf64で、大きく展開したが、ヨーロッパでも、新即物主義傾向の作品やバウハウス等の構成主義的な作品の中に、その動きがある。後者については、ヨーロッパにおいて顕著であり、未来派、ダダ、シュルレアリスムなどの動きと連動し、フォトグラム、フォトモンタージュ、ソラリゼーションなどの技法も積極的に用いられた。なお、この2つの方向は、互いを排斥するものではない。例えば、極めてストレートな作風のアジェの作品が、シュルレアリスム的感覚を内包していることは周知の事実である。
これらの傾向は、この時期およびそれ以降の広告写真やファッション写真へも大きな影響を与えた。